4/30/2015

「奴隷」


つまらない

紙を




橋の上から


投げ



     捨てる



紙の上に

  印刷されてしまった

  真夜中の戯言は

繊維と共に

  

バラ


 バラ


  になって




                溶けてしまう。



溶けてしまえばいい。


ミューズがアメジスト色の光の中から中指を立てる

ゴッホが「模範の奴隷になるな」という



奴隷の


言葉のダンスは

言葉によって始まり

言葉によってジャッジされ

言葉によって終わる


言葉の命は

言葉によってねじ伏せられる


言葉の馬小屋

言葉のトサツ場


奴隷は


言葉の亡骸を集め

真夜中の訪れを待つ。




430日、2015年)

4/24/2015

文明と電波に寄せて

スマホ中毒の人
SNS中毒の人
ガラケーにこだわる人
ケータイが嫌いな人
パソコンが苦手な人
アナログツールしか使わない人
デジタルしか使わない人
いわゆる筆不精の人
機械に縛られるのが嫌いな人
機械を使いこなす人
エネルギーを無駄にする人
エネルギーを節約する人
そもそもエネルギー不足な人々
束縛の強い人
束縛の嫌いな人

連絡をする
状況確認をする
メールする
ラインする

その人の事を把握しないと気が済まないから
その人がどうしたのか分からないから心配だから

誰からも干渉されたくない
興味ない
自分一人になりたい
何もしたくない

やらなくちゃいけないこと
やらなくてもいいこと
やってあげないといけないこと
やってもらわないといけないこと

やってるのに誰も気づかないこと
やらないことに誰もが気づくこと

迷惑はかけたくない
迷惑を被りたくもない
いっそ何もしたくない
怒られたくない
嫌われたくない
でもやらなくちゃいけないことがある
やらなくちゃいけないことがある
自分一人でやらなくちゃいけないこと
自分がやらなくてもいいのにやらなくちゃいけないことがある

いっそこんなものなければ楽なのかな
皆そんなに縛られたくないんだったら
全部捨てちまえよ
干渉されたくないなら
出て行けばいいんじゃないかな

返事が欲しいと思うのは迷惑なのか
返事なんかどうでもいいと思うのは冷たいことなのか

迷惑にもならなくて冷たくもならなくて、過干渉じゃなくて、束縛しなくて、傷つけないで、背中を押すためには何をしたらいいのかもうわかんない。

何もしたくない
けど無理なんだろうな、って思う。

いっそのことパソコンもスマホも紙も鉛筆も皆無くなってしまえばいいんじゃないかな、
もう使わなきゃいいじゃん。
バラバラになってしまえばいいんじゃないかな。

4/19/2015

「寄り道しながら」

ギターが鳴り響く夜道
一歩歩くごとに軽くなる体
このまま空を飛んで行けそうだ
まだ、帰りたくない
そうだ、寄り道をしよう

昨日できたばかりの名前の無い川に
流してしまおう
一枚の紙

君に手渡そうと思ったけど
そのうち届くかもしれないから
川の流れが、かわりに伝えてくれるかもしれないから

紙があれば電気なんかいらないのに
それでも頼ってしまうのは何故だろう

口があれば紙なんかいらないのに
それでも頼ってしまうのは
何故だろう

(6月20日、2014年)
なつかしいなあと思いながら去年のメモを書き起こしているこの頃。

「目線」

グレーの細長い部屋の中、
思いにふける
空に恋い焦がれることは罪なのか
主人を失った殺意が揺れる足場をうろつく

どうしようもなく小さな友の手にすがると、彼は言う

前だけを向いていればいい

重く、錆びついたドアが開くたびに
期待する
外の空気が僕らを洗い流してくれないか

F5キーを連打するように、世界が
リフレッシュすればいいのに

漂う殺意をかき集めてビンに入れて蓋をして
僕だけのものにしたい
そうすれば
この空と雲は
僕のもの

(5月20日、2014年)

4/18/2015

「おこられた」

図書館の机にひらがなで「しね」と書いたら怒られた。

理科室にはビンに入ったサルの死体がいて、
廊下のロッカーにはA4の紙に磔にされたカエルがいて、
飼っていたグレーのハムスターは
ある日の朝、冷たくなって眠っていた。

休み時間に戦時中の広島の写真集を見た
給食で出てきたシシャモの天ぷらが食べられなくなった。

サトウキビ畑の歌の替え歌を作った男子のせいで私まで怒られた。
ハムスターを手のひらに乗せて、
職員室に行ったら怒られた
ヒマワリの種とクッキーと手紙と一緒にハムスターを花壇に埋めた。

教室の机に「しんだ」と書いたら、
怒られるのかな。

(4月18日、2015年)

ブログ移行してみた

FC2ブログを使い始めてはや8年になりますが、

最近ゼミで共同運営しているブログ(私がFC2ブログで初めた)がBloggerに変更されて、使っているうちにこっちも悪くないなと思ったので移行してみました。

(記事ごとの解析機能とかそこらへんが魅力)

FC2からBloggerにエクスポートするにあたって若干面倒なステップもあったんだけど、まあ何とかなったのでもういいやって思います。

本当は細かいブログの日時、時間とかも前のブログに忠実にしたかったんだけどそんな気力無かった...

Googleって怖いなぁとか思ったりFC2最近ダメだなーと思ったり、いろいろ感じながらの移行作業でした。それよりお腹空いた。気持ち悪い。

ネット上でどの名前を名乗ればいいのかもはや分からなくなってきました。辛い。L.N.ってことにするので勝手に察してください。(笑) identity crisis! OMG!!

「大雨」

セピア色の雲を眺めると
天国のホールに集まるオーディエンスが見える
魔法をかけられ、カエルになった少年がステージに立った時
グレーのカーテンが閉じ、
生ぬるい拍手が地面に突き刺さる
カエルが意味深な笑みを浮かべると
拍手はフィナーレを迎える
開演3分でクライマックス
待ち時間120分
地上には次のプログラムを心待ちにする行列。

07112014
去年授業中にこっそり書いていた詩を発掘したのでお披露目。

4/15/2015

「ラブレター」

バンドエイドをきつく巻きすぎてしまった時のように、薬指がキツくなってきたキミ。
その服、そろそろ飽きてきたんだって?
今流行りの花柄がよく似合うキミ。
テレビを見るたびに、
デジャヴ、
    デジャヴ。
アンディ・ウォーホルのポップ・アート。
レディ・ガガのアート・ポップ。
コピー、
   コピー。

暖かいから、
ペールトーンの
歩くコピー&ペースト。
「オンリー・ワン」の
          無限ループと
亜麻色の髪の乙女 with つけまつげ。

毒リンゴをポケットに忍ばせて、練習してきた魔法の呪文を唱えると
セイレーンが茶色の海から現れる。
彼女の透き通るような声は
                     オリコンチャート第一位。

ああ、なんて楽しい世界に生きているんだろうね。
上空1万メートルのすみれ色のプリズム効果の奇跡と
          キミとボク。
会いたくて震えると呟けば心臓が習いたてのダンスをする。
小指と小指に繋がる
L I N E
という名の電波。

ロミオとジュリエット・イン・ジャパン。
キミがいなくなってしまうなら、
              ワタシも消える、
    なんて
まっぴら ごめんだ。

こうして右手をグラファイトで真っ黒にして
無口の色白の相棒と、
ペプシとウイスキーがあれば十分なんだよね。



(麗しい卯月の12日目、2015年)

(毎度の事ですが)
ちなみにこの詩は自分が所属するゼミのブログにも投稿しているので、
どっか別の所でこれを見つけてもあんまり気にしないでください。

4/11/2015

「箱庭」

おはよう、の四文字が無くなる時
本の館に火を付ける時
子犬が子犬でなくなる時
煙が水に変わる時
音楽が騒音に変わる時
キャンバスにナイフを突き立てる時

青くて丸い箱庭の中で生きるしかない僕たちは
気まぐれに注がれた砂糖水のなかで溺れ死ぬしかないのだろうか。



��4月5日、2015年、10時16分の5時間前)

「レスキュー」

ミルク色の光の中で溺れる君を
ただ見ていることしかできない。
綿あめを喉に詰まらせている君を
ただ見ていることしかできない。
だって君は助けを求めないのだから。
緑色の炎に包まれる君の瞳は、
一体どこを見つめていたのだろう。
僕は黒い涙を流しながら、
ひたすら月明かりの中を彷徨うしかないんだ。
君が僕の名を叫ぶまで。


��4月5日、2015年)

「408時間 (あるいは1468800分)」

早すぎる野良犬の挨拶と、遅れまいと続く鶏の返事。
カーテンの隙間。
電気仕掛けの真っ赤なサルと目があった。
とうとう朝になったので、甘すぎるパンを食べにリビングへ。
割れた窓ガラスから見えたのは、
蜘蛛の巣を被ったマリア像の後ろへ隠れる、火薬銃を手にした少年と、
クリスマスソングを歌う半袖の少女たち。
頭痛が起こりそうなほどの賑やかのゲームアーケードを建てたのは、
メガネをかけた無口の叔父さん。
ソファに座るおばあちゃんと、ロック・ミュージック。

白すぎるコーヒーを飲みほす。
それからメーターの壊れたバイクが走り出すと、とうとう訪れた1月9日、10時35分。
それでは、また会いましょう。
ベルの鳴らない教会の前で。


2015年、フィリピン、レガスピにて。